【vol.4】九州大学

九州大学
- 設立:1911年
(明治44年 九州帝国大学として誕生) - 学生数:約18,000人(含留学生約1,100人)
- 教員数:約2,300人
- 職員数:約2,150人


九州大学 総務課長 塩田剛志氏
キーワードは『感謝の意』
第4回目のインタビューは九州大学の総務課長である塩田剛志氏にお話を伺いました。
九州大学は、全学で共用する教育研究施設の環境整備のため、教育研究環境整備基金を設置しました。この基金は学生寄宿舎や図書館など寄附者に対してあらかじめ寄付金の使途についての意向を聞き、その意向を反映できるようにします。そして一定額以上の寄附をした団体や個人の名前を建物などの名称として使用する「命名権付き基金」としました。
─ 命名権付き基金という制度導入のきっかけは?
今回の取り組みは命名権を売るというよりも、むしろ寄付をして頂いた方に対し、大学として感謝の意を表したいという発想でスタートしました。
感謝の意を示すのにどういった方法があるのかを考えたときに、寄付金の額に応じて、建物内のフロアや、会議室などに寄付者の名前を付けていこうという事になったのです。名前を付けた方が愛着もわきますし、建物は長く残ります。
また、必ずしも命名権だけでなく、寄付金の額に応じて、普段から学生が使っている場所などに名前を刻した銘板を設置することも考えています。
顕彰方法の詳細は検討中ですが、今後、本基金にご寄付頂いた方に対してはこうした応対をしていきたいと考えております。
─ 命名権取得第一号となった「やずや」とはどのような経緯で?
今回このような制度を導入する前に、『株式会社やずや』様より、大学に対しご寄付の話を頂きました。
そういうことから本学としても基金の受け入れ態勢をきちんと作らないといけないと考えたのです。
やずや様と相談しまして、現在 「伊都新キャンパス」 に建設中の学生寄宿舎のワンフロアに、やずや様の名前を付ける事になりました。
本学は現在、 「伊都新キャンパス」 への移転を進めており、将来的にはここ 「箱崎キャンパス」 も移転する事が決まっています。
新キャンパスの建設費用は、国からの支出が中心になるのですが、国の財政難もありますし、大学独自で備えるべきものもありますからね。そういったところを補えるように、こういった基金に寄付をして頂いて役立てていきたいと考えたのです。
基金で整備するのは新キャンパスに限った話ではないのですが、新キャンパスというのがやはり大きな要因のひとつですね。
「伊都新キャンパス」 は、今年の10月から工学系の約半分が移転してオープンしており、今の計画では最長で15年をかけて、すべて移転することになっております。現在、福岡県や福岡市など地元自治体や経済界などと協力して、学術研究都市を作ろうというプロジェクトが進行しておりまして、その中核を担うのが九大の 「伊都新キャンパス」 だという事で、産学官が一体となって街づくりをしております。
─ 命名権自体は元々ご存知でしたか?
命名権という概念はもちろん知っていました。
日本の大学ではまだ数少ないようですが、寄付者の名前をつけた建物もあると聞いています。海外の大学などではすべての建物や教室などあらゆるものに寄付者の名前がついていたりすることもあるそうですね。そういった例を参考にさせて頂きました。
─ 命名権付き基金の他に感謝の意を示す方法として何かありましたか?
今回は有川副学長からのトップダウンの発案でした。
寄付者への顕彰だけでなく、寄付文化といいますか、大学に寄附することによって 『次世代を担う若者の育成』に自分も貢献しようと思える文化の醸成も狙いのひとつです。
学生は毎日自分達が寄付者の名前がついたフロアなどを利用するわけで、将来 「自分も偉くなったら大学に寄付しようか。」 と思うようになるのではないでしょうか。キャンパスで、寄付を身近に感じることで、そういう文化の醸成に役立つのではと考えたわけです。
─ 今回の命名権付き基金に関して問い合わせなどは?
本学では、定例で月に一回、記者懇談会というものがあります。
これは記者の皆様にお集まり頂き、本学の情報発信をする場なのですが、その時に資料を配布し説明をさせて頂きました。
新聞等にも取り上げて頂いているようですが、まだ認知度は低いようです。今後、寄付の詳細をもっと詰めて、HPに掲載するなど再アナウンスという形を取っていく予定です。
─ 今後の命名権付き基金に関して一言コメントをお願いいたします。
この基金を通じ、寄付を身近に感じる事で、今はまだ学生である若者達が、「自分も将来偉くなったら大学に寄付しようか」と思えるような寄付文化が根付いていくといいですね。
※インタビュー記事に関するお問い合わせは「命名権.com」まで













