メェメェくんインタビュー

【vol.2】フクダ電子株式会社(フクダ電子アリーナ)

フクダ電子株式会社

  • 名称:千葉市蘇我球技場
  • 設立:昭和23年7月6日
  • 本社所在:東京都文京区
  • 業種:医用電子機器の開発・製造・販売および輸出入
  • 備考:JASDAQ上場

フクダ電子株式会社 広報・IR部部長 安倍誠氏
キーワードは『福有り!』

第2回目のインタビューは『フクダ電子アリーナ(以下フクアリ)』命名権を購入しましたフクダ電子株式会社の広報・IR部部長である安倍誠氏にお話をお願いいたしました。

─ さっそくですが、なぜ命名権を取得しようと思われたのですか?

フクダ電子は医療機器専門メーカーで、主なお取引先は病院やお医者様になります。66年の歴史がありますので、業界内ではある程度フクダ電子の名前は浸透していると思います。
ここ数年一般家庭向けに、病院から貸し出しという形で、使用される機器が増えてまいりましたが、一般の方にはフクダ電子はどんな会社なのか、まだまだご理解頂けてないと感じています。
こういう状況の中で、広く世間の皆様にフクダ電子という会社を知って頂こうと思ったのです。
また企業にはCSR(企業の社会的責任)があり、その取り組みとして何かできるかを検討してきましたが、2005年5月、一社員から「千葉市蘇我球技場」のネーミングライツ募集に関する提案もあり、応募を決定しました。以上の観点から今回の命名権取得を決めました。

─ 他の広告と比較検討の結果、なぜ命名権に決定されたのでしょうか?

メディアに常に露出されるということが大きな要因ですね。
試合ごとに当社の名前が露出される。広く世間の皆様に当社を知ってもらいたい。
2004年7月から一般の方でも使用の認められたAED(自動体外式除細動器)という機器があります。これは突然の心停止状態に陥った場合に心臓に電気ショックを与え、正常な働きに戻す機器であり、専門知識などがなくても、どなたでも簡単に安心して操作できるものなのです。こういった機器類が徐々に一般家庭の中にも入り込む様になってきているのですが、フクダ電子という名前は株式にご興味があり、株を購入されている方以外は、まだまだ認知度が低いであろうと。
そして、これから少子高齢化の時代になってくるにあたって、我々も優秀な人材を確保するためにも、広く世間に名前を知って頂く事によってリクルート対策にもなると思います。そして社内的にも名前が露出する事によってモチベーションが上がってくるのではないかと、そういった諸々の要素を考えた時に、命名権というのはかなり有効な手段ではないかと考えました。

─ 命名権を購入する前にはどのような広告を使用していましたか?

具体的に商品名をあげて一般の方へ消費を促す事はできません。我々の取扱い製品は医療機関向けですし、一般家庭向けのみの医療器具を販売している会社とは扱いが違いますので、一般紙に対しての宣伝広告というものはほとんど行っておりませんでした。
強いてあげれば、医師会等への協賛記事広告ぐらいでしょうか。

─ 蘇我球技場の命名権販売はいつごろ知られましたか?

2005年5月の連休明けに千葉市が蘇我球技場の命名権販売を募集している事を知りました。
最初の募集から1年以上経過し、再募集だったのですが。
まずは具体的な募集内容から調べてみようという事になりまして、千葉市のスポーツ公園課に問い合わせました。

─ なぜ蘇我球技場に決められたのでしょうか?

まず蘇我球技場の場所が東京から電車で1本、駅から歩いて8分と、非常にアクセスがよいという点です。
ましてやジェフ千葉さんは名門チームで、強いですから、アクセス改善によりフクアリの観客動員数アップを考えてかなりの露出度が見込めると考えたからです。
しかし、早速パンフレットを取り寄せてみると、驚いた事に殆ど何も決まってはいない。蘇我球技場に対しての開発計画も、ネーミングライツの対価も、行われるJ1リーグの試合数など未決定の事が多々ありました。 実際、千葉市も試行錯誤の段階だったのだと思います。
しかし我々は企業ですから対価という事に関しては株主様に説明責任が発生いたします。そこで千葉市スポーツ公園課の村田室長を中心とする方々と膝を交えての話し合いが始まりました。
当初、行政相手なので大変困難な事になるのではないかと危惧しておりましたが、そういった事もなく、スポーツ公園課の方は皆さん、本当に好意的でした。実際に足しげく千葉市役所に訪問し、ひとつひとつ問題点を解決していきました。
そうして結果的に双方が納得できる契約が結ばれたのです。

─ 球技場の名称はどのように決めたのですか?

正式名称が決まる前からあちこちで仮称「フクダ電子スタジアム(フクスタ)」だけが一人歩きしておりました。一方で我々も一生懸命考えました。
スタジアムだと他の命名権と同じになってしまい、せっかくの権利を二番煎じでは勿体無い。
よって「アリーナ」という国内では前例のないネーミング(プロ野球含む)を使うことによるインパクトを期待しました。そして漢字の「福」を当てはめた時に、福有り!となります、これは非常に縁起も良いし覚えやすい。そしてアリーナという意味を考えた時、英語では劇場という意味もあるのですが、フクアリは「サッカー劇場」「サッカー空間」という触れ込みで覚えてもらい、「フクアリ」の「フク」はフクダ電子の「フク」と常に感じてもらいたい、そしてフクアリに来てくださる人が幸せになれますように、そういう願いを込めてフクダ電子アリーナと決めました。

─ 金額や期間はどのように決定していったのですか?

今季と来シーズンを含め1億円というのは最初からこちらがご提示差し上げました。翌年に関しては都度協議という事になったのは、万が一会社の業績が著しく悪くなるだとか、会社自体の環境が大幅に変わったとか、また千葉市から見た時に運営形態が変わったとか、色々な効果が期待できないなど、双方それぞれが「これはまずいよね」という状況になった場合には速やかに解約ができるという内容にしたのです。
これが(他の命名権とは)大きく違うところです。あくまで市の財政に入り込んでいくわけですから、そこは透明性を持たせようという事なんですね。
2005年10月から5年半の期間で4億5000万円から5億3000万円。
3年目以降は毎年12月末までに状況を見て決定。
もちろん三年目以降も契約は継続していくつもりなのですが、上場企業として説明責任がありますから長期的な負担となる財務負荷はできるだけ少なくなるように致しました。

─ 同様に、看板やデザインについては?

フクダ電子は元々ブルーがイメージカラーなので、社内のデザイナーが考え、ブルーを基調にした看板デザインに致しました。

─ 命名権導入の発表後、業務ではどのような事がありましたか?

発表後のほうが忙しかったですね。千葉市側や管理会社さんとの打ち合わせ、社内での予算取りの関係、看板デザインに関する事、こけら落としに向けてどういった事をやるべきか等々、それはもう目の回る程の忙しさでした。

─ 命名権取得後はどのような効果がありましたか?

最初の頃はなぜ名称をスタジアムにしてくれなかったのかと問い合わせがきましてね。その都度我々も、フクダ電子アリーナという名前についてご説明申し上げ、『フクアリに福来る!』という意味なのですよと、そうすると皆さん『なるほど!』とご理解していただける。
フクダ電子アリーナの名前がスポーツ誌やテレビによく出るようになって、やはりそれだけ世間から注目をされ始めた結果なのでしょうね。
またAEDに関しましても問い合わせを沢山頂くようになりました。 2005ナビスコカップではジェフ千葉が優勝し、また社内でも益々モチベーションが上がってきたようにも感じられます。これもフクアリ効果なのではないでしょうか?

─ 今後の命名権ビジネスについてお聞かせください

当社の場合は、今年はすべて初めての経験だったので、マスコミからも大変注目され非常に露出度も高かったわけですが、来期以降はどういった形で我々が露出をしていくかという事が、課題になりますね。
これがゴールではないですね。まだやっとスタート地点に立ったばかりですから、5年半という長丁場をどういった形で、命名権というものを生かしていくというかが、ひとつの仕事としてなりつつあるのではないでしょうか。
命名権というものは、まだまだ国内ではあまり知られていないことですし、そういった意味ではこれからのビジネスだと思います。

※インタビュー記事に関するお問い合わせは「命名権.com」まで