【vol.1】千葉市(フクダ電子アリーナ)
フクダ電子アリーナ
- 名称:千葉市蘇我球技場
- アクセス:JR蘇我駅徒歩8分
- 座席数:約18,500席(個席)
- 備考:J1-ジェフユナイテッド千葉のホームスタジアム




千葉市公園建設課蘇我スポーツ公園整備室 村田直昭室長
第1回目のインタビューは『フクダ電子アリーナ(以下フクアリ)』命名権についての責任者である千葉市公園建設課蘇我スポーツ公園整備室の村田室長にお願いいたしました。フクアリの柿(こけら)落としの試合のすぐ後にインタビューをさせて頂きました。お伺いしたときも自治体をはじめ、ひっきりなしに命名権の問い合わせがあり、村田室長は電話対応に追われていました。そんなお忙しいなか一時間以上もフクアリ命名権について、他の球技場(サッカー場)とフクアリとの比較について、Jリーグやジェフユナイテッド千葉について熱く、時には大変な苦労話も笑いを交えて語っていただきました。
すべて大変興味深いお話でしたが今回はスペースの都合上フクアリ命名権についてのみの掲載とさせて頂きます。
─ フクダ電子アリーナの命名権の仕事をするに当たって村田室長は命名権について当初どのようなお考えを持っていたのですか?
固定概念が全くないところからのスタートでした。アメリカの命名権については言葉だけは聞いたことはありましたが、実際のところはわかりません。ただ、私なりの考えでは、マスコミや刊行物に露出させていくことに意義があると思ったわけです。地域格差は当然出てくるでしょう‥。問題は、そこに(本拠地として)つくチームですよね。巨人やロッテなど、強いチームなら話題性もありますしね。露出という点だけで見ると、フルキャスト(楽天)もすごいですよ。最下位でしたけど(笑)。露出の仕方は色々あって、決して強いチームだけのものではないと思うんです。味の素スタジアム、日産スタジアムは何万人もが知っています。でも、それは企業側も一流企業ですから、有名で当たり前なんですね。
しかし、本当の命名権とはそういうものではない、という考え方です。
─ 有名な企業が有名な施設に名前をつけるだけが命名権ではないということでしょうか?
先ほどお話したような大企業の考え方では、いずれ息詰まるでしょうね。なぜかはいえないですけど(笑)味の素、日産の次はどこが来るか?今までの固定概念では、もっとメジャーな企業が大きな施設に破格の値段をつけるのではないでしょうか?
─ ええ、そういう風に考えられますね。
我々は破格な値段ではありません。(味の素スタジアムは5年契約で12億、日産スタジアムは5年契約で23.5億)現在の協定では5年半契約ですが、さらに今回の命名権がうまく世間に浸透すれば継続されることになると思います。今回の契約での一番の特色は、最低額4億5千万から最高額5億3千万までと金額に幅があるという点ですね。
─ なるほど、金額に幅があるという契約なのですね。では今回のお仕事の手始めとして、どのようなことをなさいましたか?
もともと命名権は馴染みが薄いですから、当初、各方面で調査を行いました。まず、市長や担当助役の「やってみろ」という意向を踏まえ、この球技場を作る前に命名権の是非について千葉市民にアンケートを実施しました。市民の皆様には、アンケートを実施する前に、利益が上がれば管理費に補填され、市の債務になることもお伝えしました。市民の皆様からは「こういうご時世だから企業と協力していくことも大切」とご理解をして頂きました。市が、このようにアンケートをとったのは、全国初だったわけです。
─ 球技場の完成前に命名権の了解を市民から得たのですね。では平成16年4月25日の募集開始から、実際にどのような活動をされたんですか?
当初、千葉市が独自で応募して募集はゼロとの報道がありました。が、実際は十数社ほど引き合いがありました。広告代理店や企業側とは、一年を懸けて水面下での協議をしてきました。が、結局企業との命名権(スポンサード)決定には至りませんでした。各企業からの質問は、「どれくらいウチ(の企業)を露出させてくれるのですか?」、「効果がどれくらいあるのですか?」という専門的な話になってきました。こちらは素人ですから言葉に詰まるんですよね。ただ「スタジアムを作ってます・・・」としか言えない訳です。売り物の価値観が無い中で、日々専門的なことが言えませんでした。
─ 相当なご苦労をされたと?
そもそも役人ですし、ズブの素人ですから、どうしてよいか分からない反面、なんでもできました。命名権は教科書がある訳ではないのです。 そういえば、千葉市の命名権が失敗したと新聞に載ったんです。失敗ではないからと、再度各方面にアナウンスしました。
─ 協議した企業もあったが決定には至らなかった。そして命名権の再アナウンスをしたのですね?
はい、そうです。再アナウンスにあたっては、施設に名前を冠するという事だけではなく、看板やサインの掲出位置や施設利用権などをまとめたセールスペーパーを作成しました。その再アナウンスが平成17年4月25日でした。その翌日にフクダ電子のご担当者様が私のところに電話をかけてくださいました。
─ 命名権の再アナウンス後に、フクダ電子さんから連絡を貰った訳ですね。では、ついにいよいよ命名権決定になるんですか?
いえいえ、そんなこと無いんですよ。あるメディアが千葉市は(広告代理店を通さずに)素人に任せて完全に失敗だったとアナウンスしたんです。私にも報告はありましたが、放っておきました。いずれ答えが出ますからね。案の定10日後に訂正されました。
しかし、そのぐらい命名権とは関心度が低かったのです。
─ それでは、決定までにどのような話し合いをしたのでしょうか?
値段など、段階的に決めていきました。我々が新聞やテレビメディア、また看板を設置し露出し話題性を作っていく。フクアリの知名度がどの程度世間に知れ渡るのか、今後フクダ電子様と いろいろ協議していきましょう ということになりました。
─ そしてフクダ電子さんと命名権の契約を結ぶに至ったのですね。契約の後は、すんなりいきましたか?
フクダ電子様に決まってからも仕事はたくさんありました。本当に色々なハードルを越えてきましたね。
ひとつの例としてパンフレットなどの市の広報物はすべて『フクダ電子アリーナ』と記載されています。フクアリの管理/運営を行っている指定管理者であるシミズオクト・東洋グリーン蘇我球技場共同事業体の職員も電話では『フクダ電子アリーナ』と答えています。
─ フクダ電子さんと5年半の契約を結びましたが、今後、どのような関係を築いていきたいとお考えですか?
我々の役割は、「フクダ電子」という名を広く世間に発信させることです。フクダ電子の社長様も、「社員に対してモチベーションを持たせたいし、さらに地域貢献、社会貢献もしたい」とおっしゃっております。医療器具メーカーですから高齢社会に向けての千葉市の政策と一丸になって、フクダ電子様と長くお付き合い頂ける関係を築いていきたいですね。
─ どうも、ありがとうございました。(そして帰り際に、頂いた資料を封筒に入れていると、すかさず村田室長がこうおっしゃいました)
我々が使っている封筒にも『フクダ電子アリーナ』の名称が入っています。ワクワクしますよね。こういった感じで露出していくんですよ。様々なところに露出していきますよ!
※インタビュー記事に関するお問い合わせは「命名権.com」まで













